グラスホッパー 【井坂幸太郎】

グラスホッパー

グラスホッパー

鈴木・鯨・蝉を軸に展開する殺人小説。
最初はそれぞれが点でしかないですが、後半ではそれが線となって交わります。

巷では人気の高い著者ですが、アヒルと鴨のコインロッカーグラスホッパーを読んで、正直そこまでの感動とかなかったです。つまらないわけではないですが。

原発・正力・CIA 【有馬哲夫】

原発・正力・CIA: 機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)

原発・正力・CIA: 機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)

原子力の平和利用というアメリカの戦略と、電波ネットワーク構想を実現したい正力松太郎のお話。
政治がらみの話も多く、1回読んだだけではよくわからんです。

正力さんは総理大臣も目指してたんですね。

コモディティ化市場のマーケティング理論 【恩蔵直人】

コモディティ化市場のマーケティング論理

コモディティ化市場のマーケティング論理

世の中競争によって発展することって多いと思うのですが、決定的な差を生み出すような差別化ができることってすごく幸せなことだと思います。

家電とか、電化製品とかはまさにレッドオーシャンの代表のように思えてしまいます。

筆者は、上記のようなもろコモディティ化したものではなく、わりとマニアックな例を紹介していることが多いと思います。たとえば医療機器を扱うオペラマスターオペラマスター│株式会社ホギメディカルなど。

「こうすればこうなる!」といった(私が期待していた)理論を記した本ではなかったように思いましたが、それはマーケティングというものが複雑なためだと思います。

ただ、最後のほうに出てきた、利益志向のマーケティング理論というのは、日々実感することが多くその通りだと思うのでメモしておきます。


(p.220より)

コトラーマーケティングコンセプト」なども監訳している著者なので、そっちのほうもぜひ読んでみたいと思います。

アマゾン・ドットコムの光と影 【増田増生】

アマゾン・ドット・コムの光と影

アマゾン・ドット・コムの光と影

アマゾンの配送センターにアルバイトとして潜入した著者によるルポ。

一応1分で3冊のピッキングがノルマのようですが、形骸化してそうな感じですね。
時給850円とかで最強の効率を生み出すアルバイトを大量投入。人の入れ替わりが激しいのが残酷でもあります。ちょっと前にシルシルみしるでアルバイトのおじちゃんおばちゃんたちが映っていましたが、なんとなく覇気がなかったのもなんだかうなずけてしまいます。
この本の刊行当時(2005年)で400人くらいのアルバイトがいたそうですが、今はどれくらいいるのでしょうか?ちょっと気になりますね。今は大阪にもセンターありますし。

超過酷な現場だとわかっていても、本が大好きなので一度は働いてみたい環境ではあります(本書ではアルバイトに本好きはいないとありましたが…)。

あの戦争はなんだったのか 【保坂正康】

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)

おもしろかったです!

太平洋戦争をある程度の深さで、時系列での流れや当時の日本社会の様子が(良い意味で)生き生きと伝わってきます。
日本史をとっても近現代史をまともに教えられていないゆとり世代にとっては、非常に参考になる本です。

著者が言いたかったことはいっぱいあると思うけど、印象に残ったのは

 ・戦争を始めたのは当時の社会情勢から不可避であった。ただ、どこで終わるのかを決めていないままずるずる戦争を続けたのは愚か。

 ・太平洋戦争を始めたかったのは実は海軍である。各拠点に兵器を輸送するには海軍の力が絶対必要だったし、日中戦争等おいしい戦果は陸軍のものばかりで、海軍も派手な戦果をほしがっていた。

の2点です。

国民に与えられる情報が、大本営発表と新聞とラジオだけで、日本軍が殲滅してるのに逆の発表するとかちょっと考えられんとも思いましたが、よくよく考えると地震の時の原発に関する発表はこれとそんなに変わらないのですね…

最後に、アマゾンの書評では(きちんと勉強したいのに)引用元がないなどの理由で低評価をつける方もいるようですが、本当にきちんと勉強したかったら新書ではなく図書館とかにある当時の新聞とか、分厚い専門書を読めばいいのでは?と思ってしまいますが、いかがでしょうか。

私は、引用がなかったとしても、過去にも多くの著書を発表しており、戦争体験者の話も積極的に採用している著者は高い評価に値すると思います。

脳研究の最前線(上・下) 【理化学研究所 脳科学総合研究センター】

脳研究の最前線(上巻) (ブルーバックス)

脳研究の最前線(上巻) (ブルーバックス)

脳研究の最前線(下巻) (ブルーバックス)

脳研究の最前線(下巻) (ブルーバックス)

脳科学総合研究センターのリーダー的な方々10人くらいによる書籍なのですが、結構マニアックで、今の自分のレベルで理解できることがあまりなかったです。。

不思議に思ったのは、ふつうにみると(表情と言ったらいいのか?)明らかに違う2つの顔写真が、上下さかさまにするだけで、認識できなくなってしまうのですね。。(表情がこんなに違う!ということが本当にわかりません)

これは、まっすぐ見るとそうでもない女性が、角度を変えると驚きの美女に見えてしまう現象に通ずるものがあるのかもしれません。

ほかにも興味深い話はあるかもしれませんが、いかんせん難しいです。そう考えると、脳について圧倒的にわかりやすく、面白く伝えてくれる池谷裕二さんはすごいなあと思います。

震えるメス 【伊野上裕伸】

震えるメス 医師会の闇 (文春文庫)

震えるメス 医師会の闇 (文春文庫)

バッタ屋とか保険調査会社の調査員の経歴を持つ著者による小説。

要点としては、
・通常の保険は健保をつかう(メリット:治療費が安い。デメリット:十分な治療ができない場合がある)
・交通事故などの場合は、健保を使わずに保険を利用(メリット・デメリットは上の逆)

医療機関にとっては、自由に診療できてたくさんのお金を得られる交通事故はうまみのある患者だが、逆に保険機関にとっては健保を使って多額の保険金を払いたくないわけで、対立が発生します。

この小説では医療機関がいい加減な治療で多額の請求をするケシカランやつだという設定ですが、実際には医療機関がケシカランケースと保健機関がケシカランケースの両方があると思います(あくまで想像ですが)。

ストーリーの構成も結構しっかりしていて面白かったです。

下記備忘録:

病気やけがの治療は、健保(老人医療も同様)か労災を使って支払われるのが一般的である。
どちらも国が関与し、治療費は点数化されている(健保は一点十円、労災は一点十二円)。労災なら自己負担は不要だが、健保であっても治療費全体の二割か三割を負担すればよい。
しかし健保では最善の治療は望めない。
国が治療方法や検査の内容と回数、使用薬剤を制限しているのだ。乱暴に言えば、国が援助する治療なので施しの範囲を超えてはならない、ということだ。
これに対し、患者本人に責任のない、交通事故など第三者によるけがは、原則として健保も労災も使用できない。それを補うために自動車保険があるのである。自賠責保険と任意保険である。
これらは自由診療で、医療機関が治療費を決めることができる。おしゃれが目的の美容形成や、矯正歯科、患者の希望で良質の材質を使用する場合の入れ歯や差し歯と同じと考えればよいだろう。
交通事故の場合、治療費の単価は二十円から三十円に設定され、治療法の選択も医師の裁量に任されている。強欲な医師たちが救急医療に参入したこともあって、交通事故の医療費は青天井で膨れ上がった。これが自動車の保険料が値上げされる最も大きな要因になったのだ。
(中略)
医療機関は、自由診療による既得権益を死守すべく、医療事務に明るく、なおかつ鉄面皮で弁が立つ事務長や医事課長を配置する。損保もまた、この牙城を切り崩そうと手段を弄した。自社のスタッフを教育する一方、外部の剛腕の保険調査員を暗躍させた。
十年ほど前、煩わしさを避けるため、損保会社が出資する最も権威ある団体、日本損害保険協会と、自算会(自賠責保険を管理運用する国土交通省管轄の特殊法人自動車料率算定会のこと)が日本医師会と交渉を重ね、交通事故独自の協定料金を設定した。労災を五十銭だけ上回る十二円五十銭という単価だ。しかし、地域医師会がそっぽを向いた。困った日医が、頭ごなしの押し付けは独禁法に反するという理由をつけて、採用の可否を医療機関に任せたことから、現在もなお、両者のせめぎあいは続いていた。

(p.45-47)

果てしなき渇き 【深町秋生】

果てしなき渇き (宝島社文庫)

果てしなき渇き (宝島社文庫)

警察官の主人公の娘が突如失踪し、娘探しに明け暮れる話です。

設定もちょっと気持ち悪く、ストーリーもそんなに…という感じだったので、読了後もなんだかなあという感じでした。

個人的な感想です。

慟哭 【貫井徳郎】

慟哭 (創元推理文庫)

慟哭 (創元推理文庫)

自分の娘を殺された元警察官の主人公が、ある宗教団体に入信し、自分の娘を復活させるためにほかの子供を儀式のいけにえにするために殺人を繰り返す話です。

amazonではレビュー数も多く評価も高いため大変期待しておったのですが、ストーリーも素直でamazonレビューのような感動は得られませんでした。


個人的な感想です。

人はなぜ裏切るのか 【藤本ひとみ】

タイトルにつられて買ったのですが、中身はナポレオンとその側近たちのストーリーです。

ナポレオン時代の歴史的な基礎知識がないと、読み応えが減ります。

美容室でこれを読んでいて、アシスタントの方から「すごい本読んでますね!」と言われて恥ずかしかったです。

ラミ流 【アレックス・ラミレス】

ラミ流―How to succeed and be positive

ラミ流―How to succeed and be positive

巨人で四番を打っているラミちゃんの簡単な自伝です。

日本に来て初めてのキャンプから話が始まるのですが、メジャーリーグとのさまざまな違いに正直な気持ちを綴るラミちゃんが面白いです。

最も活躍した助っ人外国人の一人だと思いますが、成功の秘訣は「とにかく今の環境を受け入れて、アダプトする」ことだと感じさせられます。メジャーとまるで違う環境であっても、「日本ではこれが普通なんだ」と思って頑張れることが、とにかくすごい。
どんな人でも、何事においても、環境を受け入れて適応することはすごく大事なのに、なかなかできないことが多い。それくらい難しいことだと思います。

ラミちゃんは、最初一年だけ日本でプレーしてすぐ帰る予定だったそうですが、今は日本をすっかり気に入ってくれて、オフシーズンでアメリカにいる時も、しばらくしたら「早く日本に帰りたい」と思うそうです。それは、日本人として(少なくとも私個人は)、とっても誇らしく、喜ぶべきことだと思います。

外国人初の2000安打まで、確かあと300本切ってたと思います。順調にいけば達成できると思うし、すごく応援しています。
そして、いつかはどこかの球団の監督になってほしいです。

私は、もともとラミちゃんが好きだったし、この本を読んでさらに尊敬するようになりました。

ユニクロ帝国の光と影 【増田増生】

ユニクロ帝国の光と影

ユニクロ帝国の光と影

以前アマゾンのセンターにアルバイトとして潜入した著者の、ユニクロ評です。
前回と違い、ユニクロではアルバイトとして働いていません。

以前柳井さんの『一勝九敗』を読んだことがあって、側近の方(玉塚さんなど)を大変高評価しておりましたが、今ではほとんどみなさんいないようですね。。。

著者はユニクロの「柳井商店化」を批判的に書いておりますが、これは突き詰めると、
①目標が高く、競争も激しい
②柳井さんは店舗に関することをすべて熟知している
ことによるのだと思います。

特に②は非常に強力で、ユニクロの店舗運営に関して少なくとも柳井さんと同等のナレッジがないと、社長権限移譲なんかは難しい気がします。
そして、柳井さんレベルの店舗知識を持つ方が今後現れるのか(すでにいたらごめんなさい)、現れたとして、柳井さんとうまくやっていけるのか。

スーパーグローバル企業というのは本当に大変そうです。

グロテスク 【桐野夏生】

グロテスク

グロテスク

著者の作品を初めて読みました。
なかなかボリュームのある1冊でしたが、割とスラスラ読めました。

登場人物はどれも一癖も二癖もある人ばかりで、とくにユリコさんのお姉さんの性格は強烈ですね。
10代20代なら自己形成ということで許されると思いますが、40近くになってあれは厳しいでしょう。小説でよかった。

物語後半の、和恵さんの会社での生態はグロテスクそのものですね。同じ職場には絶対いてほしくない。

小説でよかった。

マンガ版 新・資本論 【堀江貴文】

マンガ版 新・資本論

マンガ版 新・資本論

堀江さんの新・資本論のマンガ版です。

堀江さんの登場シーンがかっこいいです。
堀江さんが実際よりスリムです。

この本自体も面白いし、新書版も読みたくなってしまいます。
まっとうなお金儲けの才能があると思います。うらやましいです。

「へんな会社」のつくり方 【近藤淳也】

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

我々に素晴らしいコンテンツを提供してくれている、はてなの近藤さんの本です。

合宿とかしてるんですね。青春を思い出します。

まだ日記を書いて1日しかたってないですが、
 ・バックアップ機能があるのでアクシデントにもある程度対応できる
 ・アフィリエイトの設定が超簡単
で、快適です(ほかサービスも同様だったらごめんなさい)

素晴らしいサービスとしてのプラットフォームと、Chikirinや分裂勘違いさんなどの良質なコンテンツがあって、初めて高い価値を生み出すのだと思います。

私の日記はただの備忘録です。

消費者行動論 【平久保沖人】

消費者行動論 (ビジネス基礎シリーズ)

消費者行動論 (ビジネス基礎シリーズ)

消費者行動について興味があって本書を読んでみましたが、理論ベースでつらつら書いてあるだけで、グッとくるものはなかったです。

以下備忘録:


(p.75,76より)

天才! 【マルコム・グラッドウェル】

天才!  成功する人々の法則

天才! 成功する人々の法則

原作者のマルコム・グラッドウェルの過去の作品(『tipping point』『blink』、もちろん日本語で)も読んだことがありましたが、今回の作品が一番、それもぶっちぎりで面白かったです。

理由は、原作の質よりも訳者の質にあると思います。勝間さんは、内容を理解したうえで訳しており、訳に無理がなく、おもしろく仕上がってます。

・個々人の才能や努力以前に、時代背景や環境により見えてくる統計的トレンド確かに存在する(ホッケー選手や、新興大企業のCEO)
・IQは、「十分高い」というシンボルにはなりえるが、IQ150とIQ200に大した違いはない。
・人々の文化的な背景を理解しないと、飛行機の墜落事故とか大事故が発生します。

なるほどなー。

入門コンサルティング営業 【ディック・コナー、ジェフ・ダビッドソン】

[入門]コンサルティング営業―「売る」技術、「買わせる」戦略

[入門]コンサルティング営業―「売る」技術、「買わせる」戦略

刊行日が2007年だったので、割と新しい本なのかと思っていましたが、原作は1993年刊行でした。
やられた。

当時は目新しかったかもしれない、「AIDMAの法則」とかが出てきます。なんか残念だ。

基本的な考え方はCCMSという理論に基づいて書かれているようですが、このCCMSが私にはさっぱりでした。

思考のすごい力 【ブルース・リプトン】

「思考」のすごい力

「思考」のすごい力

人間の体は、一応細胞レベル(DNAレベル?)で、「意志によってアクティブになる」様にできているそうです。

これに関しては基礎的な知識がないため、そこまで多くのことはわかりませんでした。

もしわかる人がいたら教えてほしいです。

営業はテクニックより戦略 【デイブ・ステイン】

営業はテクニックより戦略―戦略的思考トレーニング21

営業はテクニックより戦略―戦略的思考トレーニング21

これは、タイトルにある通り営業のテクニックは出てきません。

・顧客、競合についてのすべてを理解しろ
・考えられるすべてのシナリオを想定しろ

なんかこんな感じのことが書いてあります。
これが戦略といえるのかは疑問ではあります。
戦略の一部に違いないとは思いますが、そうであれば、戦略を考えることってものすごく大変なんだと思います。

アリアドネの弾丸 【海堂尊】

アリアドネの弾丸

アリアドネの弾丸

私の大好きな海堂尊さんの1冊。

今回は刑事による殺人をAIを用いて推理・解決していくストーリーで、事件発生からエンディングまでは超速で読めます。

ただ、事件発生までに100ページくらいかかるので、そこがちょっときついです。

おもしろい作品で読後が気持ちいい1冊です。

取締役島耕作 【弘兼憲史】

取締役 島耕作(1) (講談社漫画文庫)

取締役 島耕作(1) (講談社漫画文庫)

島耕作シリーズの、取締役編です。
中国展開がメインで、相変わらず素晴らしい仲間とともに頑張ってます。

常務編も早く文庫になってほしいです。

PLATONIC SEX 【飯島愛】

PLATONIC SEX (小学館文庫)

PLATONIC SEX (小学館文庫)

今は亡き飯島愛さんの半生をつづった作品。

前半は、飯島さんの家庭環境を含め、生い立ち・学生時代のことが、そして最後の部分では飯島さんの母親の日記をもとに、母親の気持ちが正直に綴られています。

母と娘の感じ方、支店は真逆ともいえるのに、両方ともすごく共感できます。

最後の言葉がすごく感動的:

ありがとう。



私は今までそう心から感じたことは一度もなかった。

サウスバウンド(上・下) 【奥田英朗】

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

奥田英朗さんの代表作。

アナーキストの主人公父のキャラが強烈。

文庫版では上下ありますが、個人的には上巻の展開が面白かったです。

トリカブト事件 【坂口拓史】

トリカブト事件 (新風舎文庫)

トリカブト事件 (新風舎文庫)

夫人連続殺人事件を追ったノンフィクション。

事件の全貌を記した作品と思っておりましたが、裁判などの記述はありません。

調べたところ、現在は無期懲役になり服役中なのですね。

悪魔の発明と大衆操作 【原克】

悪魔の発明と大衆操作 ―メディア全体主義の誕生 (集英社新書)

悪魔の発明と大衆操作 ―メディア全体主義の誕生 (集英社新書)

テクノロジー中心に、テレビ放送やラジオ誕生を記した作品です。

おもしろくもなく、印象に残ることもなく。

ただ、初期のテレビカメラはものすごくでかい。

人を動かす交渉術 【荘司雅彦】

論理と心理で攻める 人を動かす交渉術 (平凡社新書)

論理と心理で攻める 人を動かす交渉術 (平凡社新書)

交渉に関する基本事項をわかりやすくコンパクトにまとめた1冊。

新書としても完成度は高いと思いますのでお勧めです。

歴代首相の経済政策全データ 【草野厚】

歴代首相の経済政策全データ (角川oneテーマ21)

歴代首相の経済政策全データ (角川oneテーマ21)

文字通り、戦後首相の経済政策が載っています。

フォーマットは、
 ・内閣誕生までの流れ
 ・経済政策(歳出内訳含む)
 ・首相着任時の出来事

と、全首相で共通しており、その気になればエクセルとかでまとめることもできそうです。

あまりに淡々と描かれているので、やや飽きっぽくなるかもしれません。

不機嫌な職場 【高橋克徳・河合太介・永田稔・渡部幹】

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

不機嫌な職場になった理由として、

【前提】:不景気
 →そのために
  ①成果主義の導入。個人の役割の明確化
  ②仕事の属人化(タコツボ化)
 →結果として、職場がギスギス

ということだそうです。

成果主義や個人の役割の明確化などの影響もあると思いますが、一番大きいのは不景気だと思います。

35歳までに読むキャリアの教科書 【渡邉正裕】

いくつかのキャリアパターンを、ケーススタディとともに紹介しています。

ケーススタディでは様々なパターンを紹介していますが、著者のキャリア感は下記のフレームワークで一貫しています。


(p.6より作成)

個人的には、上記のフレームワークはキャリアの積み上げには役に立つかもしれませんが、やや方便に偏っていると感じます。

「たまたま今のキャリアとなってます」では許されないので、このような見方をしているだけで、これが仕事に役立つとか、人生を豊かにするとかは正直感じないです。

すべてにストーリーを求めると、なんだか疲れませんか?

人間はウソをつく動物である 【伊野上裕伸】

人間はウソをつく動物である―保険調査員の事件簿 (中公新書ラクレ)

人間はウソをつく動物である―保険調査員の事件簿 (中公新書ラクレ)

元バッタ屋・保険調査員の著者による、半自伝みたいなもの。

著者の今までの小説を、帰納してナレッジにしたような1冊。

保険調査員は対人の心理戦も多く、大変なお仕事だと感じます。