経済を動かす単純な論理 【櫻川昌哉】
- 作者: 櫻川昌哉
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/04/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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藤沢さんのブログで紹介されていて読んでみた。
おもしろかったのは、今まで何の意味もない金融市場でのいわゆる「マネーゲーム」が、重要な意味を持っているということ。
しかしよくよく考えてみると、こうしてマネーゲームに興じてくれる人がいるおかげで、この投資会社は、株式を売却して、新しい企業に出資できるのです。逆に、出資した会社の株式を売ることができないとしたら、投資会社はどうするでしょうか。そもそも投資会社は出資を見送り、この若手企業家の会社は世の中に存在しさえなかったかもしれない。なぜなら、株式を売れないとしたら、この投資会社は、出資した会社が成功するかどうかのリスクだけでなく、出資した会社の業績が悪化した時に株式を売り抜くことができないリスクと、もっと有望な会社が現れた時に出資し損ねるリスクを抱えてしまうことになるからです。
ところが株式市場が整備されていて、マネーゲームに興じてくれる人々が大勢いれば、売りたいときに株式を売ることができる。そして株式を売って手に入れた資金で、さらなる投資機会に挑戦することができる。つまり、逆説的ですが、この投資会社は、株式を売却することができるからこそ出資したのです。
こうして考えていくと、金融がスムーズに回ることで想像される価値は、最初に出資した投資会社、投資会社が売却した株式を買った人、その人の株式を買った人、そして……と、株式の売却に関わったすべての人の共同作業といえます。これらのすべての人がこの会社の価値、つまり企業価値を支えているといっても過言ではありません。そう考えると、出資した投資家は価値を創っているけれども、ネット取引で株をやっている投資家は価値を創っていないと考えるのは間違いであることに気づきます。むしろマネーゲームに夢中になる人たちによって支えられる「株式市場の厚み」こそが、株式による資金調達という仕組みを作っているといえるのです。
後半は結構難しい話も出てきますが、全体的には面白くて役に立つ良書だと思います。
単純な脳、複雑な「私」 【池谷裕二】
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2009/05/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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各ブログで評価が高い一冊。
脳科学系の本ではやはり相当面白いです。
トピックのチョイスも、文章の書き方も、すごくすっきりしていて面白い。
本来はすごく難しい分野なのだと思いますが、簡単(単純)にすら思えてくる。
お勧めします。
不透明な時代を見抜く「統計思考力」 【神永正博】
- 作者: 神永正博
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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結構前に読んだ本。弾さんのブログで紹介されていて読んだ。
おもしろかったですね。
一番おもしろかったのは、非正規社員のリスクを考えると正社員の1.5倍の給料を払う必要がある、みたいなことがどこかに書いてあったと思うのですが、どこに書いてあったか忘れました。。。
臍下の快楽 【安彦麻理絵】
- 作者: 安彦麻理絵
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2008/01/19
- メディア: 文庫
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スゴ本で紹介されていたので読んでみた。
画像がないのが少し残念だ。
もともとは94年くらいに出版されているのですが、私にとってはそれだけですごく懐かしくて読む価値があるなあと思いました。
適度に古いマンガとか、エロ本とか、なんかそそられるものがあります。
この本の影響で安彦さんの本は結構読みましたが、これが一番好きです。
自己愛型社会 【岡田尊司】
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 新書
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タイトルの通り自己愛型社会について述べた一冊。
①古代ローマから自己愛型社会が存在していた・・・この辺は「ほえー」って感じ
②オランダも結構自己愛型社会だよ・・・へえー意外だなー。ギリいける。
③アメリカが最強の自己愛型社会、崩壊あるのみ・・・!!!これはやっちまったな……
③(p.140あたりから最後まで)は終わってます。テロと快楽とかなんでも自己愛社会と結びつけて、完全に崩壊している。ドラマチックな書き方が目立つけど、定量的なデータとか一個でもあります・・?
これはちょっとあんまりでしょう。
ちなみにこの本の最後の1文は
自己愛型社会が、その課題を成し遂げたとき、それは、最も望ましい形での自己愛社会の終焉なのである。
こんなことを書く人を自己愛と呼ぶのでは・・・?
課題を達成できるよう、頑張ってください。
「本物の営業マン」の話をしよう 【佐々木常夫】
- 作者: 佐々木常夫
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/04/26
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タイトルにつられて購入したが、残念。
本物の営業マンというよりも、ただのできる人間というか、参考になる部分はなかった。
これを読むなら、こっちを読んだほうがよっぽど営業について考えさせられる。
- 作者: 新井英樹
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/01/17
- メディア: 単行本
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科学する麻雀 【とつげき東平】
- 作者: とつげき東北
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/12/18
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麻雀本で読んだことのある唯一の本。
結果的には、この本のおかげで学んだことも失ったものも多かった。
まず、著者は将来の麻雀王はネット麻雀から誕生すると主張する。
ロジカルを究極で極めた主張。読んだときはほえ〜って感じだった。
でも、社会人になってリアルマージャンをするようになって、この本に書いてあることが当てはまらないことが多いことに気付いた。
・聴牌即リーチをかけても、よほどのことがないとあがれない(ツモればよい方)
・統計的な強さは「今この1半荘」にはそんなに影響しない
・リアルな場で感じる相手の打ち筋とか、癖とかのほうが有力な情報。人間は機械ではない。
あと、よくわかったのは、リアルのほうが出費がでかい。つまり、かかるものが大きいので、打ち方は当然変わる。そういう場での強さが、私が思う「麻雀の強さ」なのではないかと思う。
といってもネット麻雀も好きなので、雀龍門でよく打っていますが。。
何回やっても勝てない先輩に、いつか勝ちたい。