あの戦争はなんだったのか 【保坂正康】
あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)
- 作者: 保阪正康
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/15
- メディア: 新書
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おもしろかったです!
太平洋戦争をある程度の深さで、時系列での流れや当時の日本社会の様子が(良い意味で)生き生きと伝わってきます。
日本史をとっても近現代史をまともに教えられていないゆとり世代にとっては、非常に参考になる本です。
著者が言いたかったことはいっぱいあると思うけど、印象に残ったのは
・戦争を始めたのは当時の社会情勢から不可避であった。ただ、どこで終わるのかを決めていないままずるずる戦争を続けたのは愚か。
・太平洋戦争を始めたかったのは実は海軍である。各拠点に兵器を輸送するには海軍の力が絶対必要だったし、日中戦争等おいしい戦果は陸軍のものばかりで、海軍も派手な戦果をほしがっていた。
の2点です。
国民に与えられる情報が、大本営発表と新聞とラジオだけで、日本軍が殲滅してるのに逆の発表するとかちょっと考えられんとも思いましたが、よくよく考えると地震の時の原発に関する発表はこれとそんなに変わらないのですね…
最後に、アマゾンの書評では(きちんと勉強したいのに)引用元がないなどの理由で低評価をつける方もいるようですが、本当にきちんと勉強したかったら新書ではなく図書館とかにある当時の新聞とか、分厚い専門書を読めばいいのでは?と思ってしまいますが、いかがでしょうか。
私は、引用がなかったとしても、過去にも多くの著書を発表しており、戦争体験者の話も積極的に採用している著者は高い評価に値すると思います。