パンツをはいたサル 【栗本慎一郎】
- 作者: 栗本慎一郎
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
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前々から読みたかった一冊。ついに読めた!
期待以上におもしろかったです。
人間の持つ光と闇を堂々と語り、なぜか救われた気分になりました。
タイガーウッズとかオリバーカーンが醜いスキャンダルを演じるのも、言ってみればこの
闇の部分によるものだと思います。
なぜ、ヒトだけが、生存と種の維持に不必要な、余分なものを生産するようになったのだろうか。
結論から先に言ってしまうと、生産したものをある瞬間に破壊し、蕩尽してしまうことが、ヒトにとってこのうえない快楽だからである。そして、快楽なしに人は生存も進化もできなかったからである。
(中略)
日常的な生活の中では、人びとは法律や道徳や秩序に従って暮らしている。だが、それだけでは人間は窒息し、精神は沈滞しきり、社会は活力を失って病み衰えてしまう。そこで日常性をひっくり返す瞬間を作っておかなければならない。あるいは、そのひっくり返す瞬間のために、人間は秩序を作り上げたのかもしれないのだ。つまり、お祭り(祝祭)とは社会なり共同体なりの活力を回復させるものなのだ。
だから、この非日常的な場では、ふだんの秩序や価値観が逆転するのがふつうである。
(p.49-51)
最後の一章だけはポランニーの暗黙知をやたらと力説し、それまでとだいぶ論調が違ったのでなんか変な感じでした。