『ビジネス』の発想法 【木村剛】

『ビジネス』の発想法

『ビジネス』の発想法

木村さん2冊目。

投資戦略の発想法とはほぼ180度逆の主張で、同じ人間が書いたものかとびっくりする。

この本の要点は
 ・ビジネスは不確定、何が起こるか、結果がどうなるかはわからない。「売れたものが正しい」という結果の発想。勘と胆力で決断あるのみ。

・起業して成功する確率は5%にも達しません。確率論で考えたら起業すべきではないのです。(p.175)
・一日二十四時間、ビジネスのことを必死に考え続けるべきです。命をかける真剣さがあれば、「勘」が働き始めます。(p.259)
・成功するまでやめなければ成功します。ただし、成功するまでやめないという強い意志が必要です。(p.259)

つまり、資産を増やすための「投資戦略の発想法」ではあれだけ理詰めで説き伏せていたのに、ビジネスに焦点を当てた本書では勘とか胆力とか、一転して理論では見出し得ないところに結論がある。

資産を増やすこととビジネスで成功することとでは、後者のほうが不確定要素が多いということであれば、なんとなく筋は通る気がします。

ここまでいくと、「ビジネスとはなんなのか」が問題となります。著者の意見からすると、経営者のみが行うものがビジネス、私含め多くの人が行っているのが労働というものなのでしょう。
労働とビジネスは全く異なるもの。ビジネスには、まだ踏み出す勇気は出ない。