ベーシック医療問題 【池上直己】

ベーシック 医療問題 〈第4版〉 (日経文庫)

ベーシック 医療問題 〈第4版〉 (日経文庫)

ベーシックということで、コンパクトな割に密度の濃い内容の一冊だと思います。

改めて再確認ですが、医師の数自体は毎年増えてます。なので医師不足は解消の方向に向かっているはずですが、増加の内訳が問題というのはよく見ないといけないのかなと思いました。(産婦人科医とか小児科医ですね)。

都道府県の医師数格差も、マクロでみると縮小しています。(1992年2.24⇒2008年2.00)

また、医療費も毎年増えていますが、ここ10年間での医療費の平均伸び率は、OECD平均よりも低い(OECD平均が4.1%に対し、日本は2.5%)

データの分析とかはすごいと思いましたが、本書の帯に『「医療崩壊」を検証し改革の工程表を提示』と大きく書いてあるのですが、あとがきに

しかし、現在おかれている状況の難しさを理解することが、改革の第一歩であり、着実に対応するための工程表を作成するのが次の一歩です。

(p.216)

あれっ?帯と内容があってない。

帯の言葉はもうちょっと考えたほうがよかったと思います。